農業の健康

概要

先進国に住む人々の食品選択への期待は、食品サプライチェーン全体にわたる手頃な価格の冷蔵システムによって可能になります。しかし、開発途上国に同様のシステムを導入することが難しいし、大量のエネルギーが必要になります。FAO（国連食糧農 業機関）のポリシー・ブリーフでは、経済発展が先進工業国への食料輸出に依存している場合、冷蔵への依存を避けることは困難だと指摘されています。冷蔵保管は、電力投入、冷却装置の製造、および失われた冷媒からのGHG排出量を考慮に入れると、一部の製品の総カーボンフットプリントの最大10%を占める可能性があります(Cleland，2010)。
アクティブクーリングは電力供給に依存します。今後、パッシブ蒸発冷却技術とスタンドアロンソーラーチラーが、経済的に実行可能になると、解決策として期待されます。Bundschuh氏とChen氏によると、最新の冷蔵システムの技術要素と運用の改善により、エネルギー消費量を15〜40%削減できる可能性があるという。
収穫後の作業では、事前冷却と冷蔵の段階で冷却が特に重要です。

事前事前冷却却

FAOによると、事前冷却は「利用可能な最も効率的な品質向上活動の一つ」であり、「園芸チェーンで最も付加価値の高い活動の1つ」と見なされています。

 事前冷却とは、作物収穫直後に畑の熱を急速に除去することを指します。畑の熱は、収穫された作物の温度とその製品の最適な保管温度との間の温度差として定義できます。事前冷却事前冷却の利点は次のとおりです。

· より早く最適な保存温度が実現することで、冷蔵庫の必要な作業負荷を軽減します

·  呼吸量を低下させることにより、農産物の成分減耗を軽減し、酵素分解を促進し、農産物の軟化、水分損失、しおれを防ぎます

· バクテリアや真菌などの微生物の増殖を防ぎ、腐敗速度を減少させます

· エチレン生産の減少率とエチレンに敏感な農産物への影響

· 特定の果物の冷え傷害を遅らせます

· 貯蔵施設の毎日入荷を増やすが、農産物が事前冷却されていない場合、冷却能力の10%を超えてはいけません

農産物事前冷却に選択できる方法はいくつかあります。どの方法がベストであるかは、さまざまな要因によって異なりますが、その一部を以下に示します。

· 農産物の特性: characteristics  of 冷感や急速な熱除去の必要性など、農産物の特性により、冷却要件が異なるため、方法が概ね適しています。製品の容量が異なりますが、早く冷却できればできるほど良いです。なお、水と接触できないとか、一部の果物や野菜では許容できない方法があるわけです。

· 包装: 農産物の包装方法に応じるよう、事前冷却方法が多少変ります

· スケール: 作業規模/冷却が要る農産物の量

· 効率: 状況によっては、一部の方法が他の方法よりもエネルギー効率が高くなります

· 熟練工レ:  ベルがことなる訓練を受けた熟練工が必要です。そのような訓練を受けた人員の利用可能性を考慮する必要があります/span>

· 経済的実行可能性: 事前冷却方法により価格が異なるから、検討する必要があります。電気代とか、投資や運営コストの場合でも同じです。一般に、事前冷却法のコストは、製品の量と製品価値の増加により経済的に合理化する必要があります。

どの方法を使用するかに関係なく、事前冷却が最も効率的な方法で達成されるように、プロセスを常に監視する必要があります。手元にある方法と製品によって、農産物は異なる速度で冷却されます。

低温貯蔵

発展途上国で消費される食品の約30%は生鮮食品です。冷蔵施設は、収穫後の損失を最小限に抑えるために重要ですが、損失は収穫後のサイクルのあらゆる段階で発生するため、低温貯蔵は収穫後の腐敗を防ぐための独立したソリューションではなく、収穫から最終消費者の購入までコールドチェーンネットワークに統合する上1つの構成と見なすべきです。

· 収穫後サイクルにおける段階について、次のようになります。

· 収穫

· 事前冷却

· 輸送および梱包

· 低温貯蔵

· 市場展示

これらの段階では、温度制御だけでなく、洗浄、選別、適切な梱包などを含む農産物の適切かつ最小化取扱いも重要です。

さらに、社会経済的要因が収穫後の損失問題に拍車をかけており、マーケティングシステム、輸送施設、市場情報の欠如が主な阻害要因となっています。また、政府の規制は、多くの場合、消費者の価格を低く抑えたり、農家に一定の最低価格を確保したりすることを目的としており、高品質の農産物の生産を奨励するという点で逆効果になる可能性があります。多くの場合、収穫ツール、コンテナ、洗浄、梱包、冷却機器など、必要な機器は利用できません。さらに、農産物を取り扱う農家やその他の関係者の収穫後の取り扱いとマーケティングに関する知識は、限りがあるから、輸送中であっても最適な取り扱いができるとは言えません。

出典:Energypedia

https://energypedia.info/wiki/Cooling_for_Agriculture

参照

1.   FAO Policy Brief. The Case for Energy-Smart Food.

2.  Cleland  D, 2010. Towards a sustainable cold chain, 1st International Cold Chain  Conference, International Institute of Refrigeration, Cambridge, UK.  March.